羽アリはどこから入ってくる?羽アリが発生する原因を解説|シロアリ1番!

COLUMN

シロアリコラム

投稿日 2017.08.29 / 更新日 2023.12.15

シロアリ駆除羽アリ

テーマ:

羽アリはどこから入ってくる?羽アリが発生する原因を解説

WRITER

田中勇史

WRITER

田中 勇史

(公社)日本しろあり対策協会 防除技術委員

田中勇史

大学では昆虫類の研究に携わる。2007年テオリアハウスクリニックに新卒入社。これまで3000件を超える家屋の床下を調査。皇居内の施設や帝釈天といった重要文化財の蟻害調査も実施。大学の海外調査にも協力。しろあり防除施工士。白蟻専科研究室長。
YouTube:シロアリ駆除Channel

多くのアリやシロアリは、地面や土中を歩く以外に一時的に羽アリ(ハネアリ)を飛ばします。羽アリは分布を拡大するための重要な手段で、飛び立った羽アリはカップルになると、着陸後に新しい巣(コロニー)を作りはじめます。そんな羽アリはいったいどこで発生し、どこから飛んでくるのでしょうか。その原因を解説します。

シロアリ1番!が選ばれる理由

羽アリが発生する理由は新しい巣を作るため

羽アリの発生はアリでは結婚飛行、シロアリでは群飛と呼ばれ、羽がついたオスとメスが巣から一斉に飛び立ち、つがいとなる相手を見つけると着陸した場所で新しい巣を形成します。1年のうちに羽アリが見られる期間は春~晩秋までと長期間ですが、一つの巣の羽アリが何ヶ月も発生しているわけではなく、それぞれの巣の、様々な種類のアリやシロアリの羽アリが入れ替わりに発生しています。

羽アリのシーズン

たとえばヤマトシロアリの羽アリは、関東であれば4月下旬から5月下旬までの約一ヶ月程度、クロアリのなかまのキイロシリアゲアリは8月末~9月が発生シーズンです。また、羽アリの発生はその年の気候などに大きく左右されます。桜の開花や初雪の観測などのように、その年ごとに若干の誤差が生じることが多いです。

羽アリの発生に共通するのが、湿度の高い日に発生しやすいということです。しかし、雨の日には飛び立つことができないため、雨が降った翌日に一気に発生することが多く、時には数千匹の羽アリが同時に飛び立つこともあります。

このように羽アリの発生は一時的なもので、比較的短期間で終息します。大量に発生する羽アリをご覧になって、「いつまで出続けるのか…」と不安になるお客様もいらっしゃいますが、数日~1週間後には出なくなっているケースがほとんどです。

羽アリはどこから飛んでくるのか

窓際に止まってる羽アリを見たら、「この羽アリはどこから来たのだろう」と疑問に思われるかもしれません。羽アリが発生する場所は主に以下のとおりです。

外から入ってくる ・建物に被害はない
・自分で対処できる
家の中から出てくる ・建物に巣がある
・業者に調査を依頼すべき

外から飛んで入ってくるパターン

ほとんどのパターンが家の外から飛んで入ってきてしまうパターンです。特に、数匹から数十匹の羽アリしか見つからなかったら、誤って入り込んでしまった羽アリだと捉えることができます。ほとんどの羽アリは、羽アリを一気に100匹以上の単位で飛ばすため、もしも家の中から発生したときには壁一面を覆い尽くすほどの大惨事になるからです。

基本的に外からの侵入なので、業者を呼ぶ必要はありません。下記の侵入経路を参考に、ご自身で対策をされることをおすすめします。

どこから家に入ってくるのか

室内に侵入した羽アリは、一体どこから入っているのでしょうか。ポイントは下記4つです。

窓の隙間から侵入する
窓の隙間
引違い窓を中途半端に開けると、窓のフレームに隙間が生まれます。特に、室外側の窓を中途半端に開けていると、外部と室内に虫が通れる程度の隙間ができるため、そこから羽アリが入ってくることがあります。比較的大きな隙間なので、1cm程度の羽アリでも侵入するポイントです。窓は完全に開けるか、室内側の窓を開けるようにしましょう。
網戸の目を通過して侵入する
網戸の目を通過する羽アリ
一般的な網戸のメッシュ幅は、14メッシュから18メッシュが使われます。数字が大きくなるほど目が細かくなり虫が入りにくくなるものの、通気性能が損なわれたり部屋が暗くなる欠点もあります。18メッシュは幅が1.15mm程度で、小型の羽アリは通過できてしまうのです。羽アリの侵入を防止するためには30メッシュ程度は欲しいですね。
洗濯物に付いて侵入する
他の昆虫の侵入パターンでも多いのが洗濯物を取り込むときに一緒に虫を取りこんでしまうパターン。羽アリがくっついて入ってくることもよくあります。ただし、この場合は1〜2匹程度なのでそこまで気にする必要はありません。
人の出入りの際に侵入する
玄関やベランダからの出入りの際に誤って入ってくるパターンです。ハエやガ、カなどが入り込んでしまった経験をお持ちの方は多いと思いますが、羽アリが同じように入ってくることがあります。
また、意外と多いのが衣服にくっついたまま家に持ち込んでしまうことです。羽アリの種類によっては白い物に集まる習性を持つものがおり、ワイシャツなどに止まったまま知らぬ間に家に連れて帰っていた、なんてことが見られます。

自分でできる羽アリの対策方法・駆除方法

羽アリが発生するのは自然の摂理なので、人間が止めることはできないのですが、それでもやはり一時的でも羽アリが出ていると気持ちが悪い!と感じられる方も多いでしょう。特に室内で発見すると、どこから発生しているのかわからず不安に思うかもしれません。

羽アリの中には光に集まる習性があるものも多く、夜間に人家の明かりに集まった羽アリの一部が、網戸等の隙間を通して室内に侵入することがあります。そういった場合は、外灯の明かりを消したり、カーテンを閉めて光が外部に漏れないようにすることが侵入の予防対策となります。

発生している羽アリそのものは、市販のスプレー式殺虫剤で駆除することができます。ただ、羽アリは交尾をしてつがいになるために発生するので、エサを食べません。いわゆる「アリの巣コロリ」に代表されるようなベイト剤(毒エサ剤)は効果がありませんのでご注意ください。

家の中から出てくるパターン

羽アリは家の外から侵入するだけとは限りません。家の中にアリやシロアリの巣がある場合は、部屋の中を外と勘違いして羽アリが出てきてしまいます。多いポイントは、玄関、浴室、洗面室、トイレです。

家の中で発生したときは、外からの侵入とは比べ物にならないほど大量の羽アリが一斉に飛び立ちますので、「これは家の中からでてきているな」と直感的に把握できるはずです。

シロアリの羽アリか、クロアリの羽アリか

普通のアリは建物に直接影響を与えるわけではありませんが、シロアリは建物に使用されている木材を食害し、被害が進行すれば建物の強度に影響を与えかねません。もし室内の柱やドア枠、玄関框等からシロアリの羽アリが大量に発生した場合は、既に建物に被害が及んでいる可能性があるため迅速な対応が必要です。見分け方については別記事で詳細に解説しております。

シロアリとアリの羽アリの違いや見分け方についての詳細
シロアリとクロアリを見分ける方法は?
シロアリとアリの羽アリの見分け方や、シロアリだった場合の対応方法はこちら
羽アリを見つけたら取るべき行動まとめ

シロアリの羽アリが室内から出ていたら迷わず連絡を

室内から発生する羽アリが「どうもシロアリっぽいな」と感じるようなら、忘れないうちに専門業者に診てもらうようにしましょう。普通のアリと異なり、シロアリは住宅の木材を食べる昆虫です。室内から羽アリが出ているということは、間違いなくお家のどこかがシロアリに食べられていることを意味しますので、まだ大丈夫だろう、と思わずになるべく早いうちに対処することをおすすめします。

シロアリ1番!が選ばれる理由
シロアリ1番!のプラン・料金
シロアリ1番!が選ばれる理由
シロアリ1番!スタンダードプラン詳細
シロアリ1番!の無料調査についての詳細はこちら